角度によって違った形に見えるこちら、何だと思われますか?
南部鉄器の鍋敷きです。
岩手県盛岡市紺屋町で百年以上続く南部鉄器工房「釜定」の三代目、宮伸穂さんがデザイン・制作されました。
盛岡周辺は砂鉄や川砂、粘土、木炭などが豊富で、鋳物生産には最適な土地でした。江戸時代、鋳物師や釜師が盛岡城主に召し抱えられ、湯釜や梵鐘などを造り始めたのが南部鉄器の始まりと言われています。
南部鉄器というと、鉄瓶や鍋、燭台といったものを思い浮かべます。古民家とまではいかなくても、伝統的な日本家屋によく馴染み、暮らしの道具として機能の面でも申し分ないのですが、現代の暮らしには重厚でやや浮いてしまうところがあります。宮さんがデザインする南部鉄器はすっきりとしてシンプル。フィンランドに住んだことがあるというだけあって、どこか北欧デザインを思わせるところもあります。
伝統工芸の技術に現代的な感覚がプラスされ、釜定さんの南部鉄器は日本だけでなく世界中の人たちに愛される南部鉄器になっています。
ちなみに釜定さんの鉄鍋やフライパン、鉄瓶もシンプルモダンでとても素敵です。