高麗山の麓に鎮座する高来神社では、七百年近い歴史を持つ御船祭が夏に行われます。
飾りをふんだんにつけた二艘の御座船(船型の山車)が町を練り歩くのは、二年に一度。写真は二〇一二年の様子です。
御座船の登場に先立ち、早朝十二基の御神輿が高来神社から町内に向けて出発します。神輿は半日かけて照ヶ崎の浜辺に向かい、そこで浜降り神事が行われます。
先ほどの御座船は、各所で御船歌や木遣り歌を唄いながら神輿のお供をします。船上で唄うのは漁師さんたち、歌は高麗権現や千手観音が海中から引き揚げられた由来を伝える内容だそうです。
古くは、船で花水川を遡り、御神輿を船に乗せて花水川を下って相模湾の海上に出、照ケ崎の式場まで海上渡御し、浜降りの禊ぎをしたと伝えられていますが、現在はすべて陸上の渡御で、御神輿が海に入ることはありません。
左は浜入りの様子。熱気に圧倒されます。右は浜に到着した御神輿を前に、神事が行われている様子です。
こうした祭の場に身を置くと、改めて大磯と海との強い繋がりを痛感させられます。