心に留まった風景

稲渕の棚田

飛鳥川の上流を奥飛鳥と言いますが、その稲渕地区に日本の棚田百選にも選ばれている見事な棚田があります。

標高差は五十メートルほど。この高低差のある土地に、複数の井出(井堰)を設け棚田が作られました。開墾は平安時代から室町時代ごろと言われています。

 

ここは彼岸花の自生地としても有名です。上の写真二枚は8月末のものですが、今頃行くと田圃は黄金色に染まり、また違った風景が楽しめるでしょう。

ちなみに稲渕の集落の北に、七世紀中頃のものと思われる大型建物群の遺跡があります。飛鳥稲渕宮殿跡と呼ばれますが、これは『日本書紀』孝徳紀に記された「飛鳥河辺行宮あすかかわべのかりみや」、つまり大化の改新後の白雉四年(六五三)中大兄皇子らが難波から飛鳥に戻ってきたとき、一時的に使用したものではないかと言われています。

飛鳥は遺跡の宝庫なので、自然と寄り道が増えます。

 

関連記事

  1. 心に留まった風景

    霧の比叡

    取材は好天を狙って出ることが多いため、撮りためた写真も青空を背景にした…

  2. 心に留まった風景

    興福寺南円堂の不空羂索観音菩薩坐像

    西国巡礼の第八番札所は初瀬の長谷寺です。長い登廊の先に現れる本堂は、山…

  3. 心に留まった風景

    大野寺の磨崖仏

    近鉄の室生口大野駅から南に三百メートルほどの宇陀川沿いに、大野寺という…

  4. 心に留まった風景

    大阪城公園の梅林

    大阪城公園は再建された天守閣を中心に、かつての城跡に玉造定番屋敷と同与…

  5. 心に留まった風景

    石舞台古墳

    あまりにも有名な石舞台古墳ですが、何度訪れてもその偉容に圧倒されます。…

  6. 心に留まった風景

    交野山の観音岩

    新しい一年が始まりました。今年は今まで準備してきたことが少しずつ具体的…

最近の記事

連載記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

  1. 祭祀風景

    六波羅蜜寺の萬燈会
  2. 手がけた書籍(高橋英夫の本)

    『テオリア 高橋英夫著作集』第六巻 刊行
  3. 古社寺風景

    天照大神高座神社
  4. 心に留まった風景

    東寺の夜桜
  5. 寄り道東海道

    粟田神社
PAGE TOP