心に留まった風景

千本釈迦堂(大報恩寺) 大根だき

十二月に入ったばかりと思っていたら、もう三分の一が過ぎました。今年は紅葉が遅れたこともあって、京都ではまだ「秋の特別拝観」とうたっているところもあるようですが、本来なら気持ちは年末に向かい、寒さで体を縮こませる時期です。

十二月の七日、所用で京都に出向く機会があり、ちょうどその日千本釈迦堂でこの時期恒例の大根だきが行われるというので立ち寄ってみました。

千本釈迦堂は京都を南北に走る千本通(かつての朱雀大路に相当します)から西に少し入ったところにあるお寺で、正式名称は大報恩寺です。創建は鎌倉時代の承久三年(一二二一)、藤原秀衡の孫にあたる義空が、当地に小堂を建て釈迦如来をお祀りしたことに始まると伝わります。本堂の完成は安貞元年(一二二七)、倶舎、天台、真言の三宗兼学を朝廷より許され繁栄しますが、応仁の乱以後数多の戦乱で多くの堂宇が焼失しました。そうした中、本堂だけは焼けずに残ったおかげで、唯一創建当時の姿を留める存在として国宝に指定されています。洛中に現存する最古の木造建築でもあるそうです。

 

十二月七日は二十四節気の大雪。今年は比較的気温が高い一日となりましたが、本来なら本格的な冬が始まる時期です。千本釈迦堂の大根だきは七日と八日に行われます。始まりは鎌倉時代、当時の住職がお釈迦様が悟りを開かれたことを記念して行われる成道会で、大根に梵字を書き参拝者にふるまったのが起源とされています。ちなみにここでは「だいこだき」と呼ばれます。

 

現在は上の看板にもあるように、中風封じ、諸病平癒、健康増進にご利益があるというので、大勢の人が訪れていました。

本堂にお参りした後、大根だきの券を求める列に並び、順番に大根たきを受け取ります。

とろけるほどに煮込んだ大根とお揚げが入った大根だきのおかげで、体が芯から温まりました。

 

 

祈願済みで梵字が書かれた生の大根をいただくこともできます。

使われる大根は聖護院大根。柔らかく甘みもあって煮物には最適です。いただいて帰りたかったのですが、その後の用事のこともあり今回は諦めました。

大根だきのご利益は早速現れ、その後の用事も順調でした。

京都では他の寺社でも大根だきが行われます。時期も十二月に限らず、十一月や一月に行われるところもあり、味付けも異なるそうですから、機会があれば他のところの大根だきにも行ってみたいものです。

 

 

 

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